成人の自閉症スペクトラムのテストとは生育暦の聞き取りで診断する

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ここでは、「自閉症テストで成人のスペクトラムが分かるのか」についてお話します。

 

成人を対象とした自閉症の度合いを表すセルフスクリーニングツールの一つに、
イギリスで開発された自閉症スペクトラム指数
(AQ=Autistic Spectrum Quotient)
があることは「自閉症スペクトラム指数 幼児」でもお話しました。

 

50問の質問に回答することで判定できるものです。
簡便ですが、このAQだけでは自閉症スペクトラムの診断は出来ません。

 

成人になって自閉症スペクトラムとわかる人たちはどんな感じ?

 

自閉症スペクトラムは先天性のものです。
しかし、知的障害がない場合や知的障害が非常に軽度の場合は、
周囲から「ちょっと変わってる人」と認識されながらも、
成人していくケースは多くあります。

 

学校では成績は優秀で、受験も難関校に合格することもあります。
しかし、社会人になると、仕事上コミュニケーション力を要求される場面が多くなり、
初めて対人関係でつまづき、本人や周囲も「もしかして自閉症スペクトラム?」
と気付いて診断にいたる場合もあるのです。

 

また、自閉症スペクトラムの人たちは、小さい頃から大なり小なり、
「生き難さ」を感じて過ごしているために、二次的に精神障害を、
引き起こしている場合もよくあることです。

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最初は精神障害と思って精神科にかかっていた人が、
「実は自閉症スペクトラムだった」という事例もよくあることです。

 

成人で自閉症スペクトラムとわかる人たちはどんな検査やテストを受けるの?

 

自閉症スペクトラムは先天性の障害なので、
幼少期の状況(生育暦)は大切です。

 

しかし、生育暦は母親からの聞き取りになりますが、
成人している人の母親となると、すでに亡くなってしまっていたり、
ご健在でも当時の記憶があいまいで大切な情報が得られない場合も多く、
そのために子供の自閉症スペクトラムに比べて、診断が難しくなる傾向があります。

 

また、普段の行動観察やこれまでのことをよく聞き、
子供の頃からこのような性質が見られたかどうかも確認して、
心理テストや知能検査を受けてもらいながら診断していきます。
場合によっては、画像、脳波などの検査を受けてもらうこともあります。

 

このように知的障害を伴わない「自閉症スペクトラム」の方たちは、
ご本人が、一番苦しんでいますので、まずはじめに「家族」の理解が必要です。
また、同時に「地域の住民」や「職場」での理解も重要だと言えます。

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