自閉症の絵が電車や鉄道が多い理由とは?

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ここでは、「自閉症の絵が電車や鉄道が多い理由」についてお話します。

 

自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」と呼び方が統一される)は、
脳の器質的な特性によって引き起こされる先天的な障害です。
以前言われていた冷たい親による子育てが原因で起こるものではありません。

 

もちろん、感染性の病気や心の病気とも異なります。

 

自閉症には「自閉症」と診断されるための特性
(ウィングの三つ組「対人関係の特異性」「コミュニケーションの質的障害」
「イマジネーションの質的障害」)があります。

 

自閉症の人の中にはなぜ、電車や鉄道に興味があるの人が多いの?

 

「電車や鉄道が好き」=「自閉症」ではありません。
定型発達の人たちにもたくさん「電車や鉄道好き」の方はいらっしゃいます。
自閉症の人が電車や鉄道好きになる理由は次のことが挙げられます。

 

1.公共の乗り物には規則性があるから

 

時刻表通りの運行。
ホームでの同じ位置での停車。

 

決まった車両の編成数。
路線や鉄道会社ごとで色やデザインが決まっている。

 

2.公共性に意味があるから

 

駅や乗り物にはいろいろな人の利用を考えてユニバーサルデザイン
(文化、言語、国籍の違い、老若男女といった差異、

 

障害などに関わらず誰にでも利用しやすく考えたデザイン)
となっているものが多い。(駅の表示、アナウンスなど)

 

3.約束事が守られているから

 

地図や路線図などは実際の物を記号化してわかりやすくしてあり、統一性がある。
駅員の出発の合図や指差し確認などの同一行動。
これらを好むのは「イマジネーションの質的障害」という障害特性によるものです。

 

4.線路の上を走っている乗り物だから

 

公共性という意味では「公共バス」など、道路を走る乗り物もあります。
しかし「公共バス」とは、交通ルールはありますが、
必ず同じ轍(わだち)の上を走る乗り物ではありません。

 

その点「鉄道」であれば、必ず敷かれた同じレールの上だけを走るという、
これも自閉症が好む統一性で「イマジネーションの質的障害」
という障害特性によるものだと言えます。

 

自閉症の人たちは、想像力に弱さがあるために変化が苦手です。
そのため、変化なく決まりきったものに安心感を持つのです。
世の中は日進月歩を良しとしています。

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そんな不安の多い中で
「同じ時刻に同じ速度で同じ車両が同じ線路の上を走る」ということは、
自閉症の人たちの安心感につながっているのです。

 

電車や鉄道好きの自閉症の人たちが絵を描くとどんな感じ?

 

自閉症の人は「興味のあるものにはとても集中出来る」という特性があるために、
とても質の高い絵となっていることが多いのです。

 

下書なしでまるで写真かのように細部まで忠実に描いたり、
とても個性的な色彩を用い、一度見ると忘れられないような
作品になっていることも多いのです。

 

世界中で絵の大好きな自閉症の人たちは、
個展を開いたり画集を出版したりしています。

 

日本にも各地で、素晴らしい才能を開花させて作品を描いておられる方がおられます。

 

私の体験談をさせて頂きますと、
長男はカタコトで言葉をしゃべれるようになった頃から電車が大好きでした。

 

当時、私たち一家は東京都の小田急線の「生田駅」の
線路沿いにある、賃貸マンションで暮らしておりました。

 

ですから、毎日買い物に、駅のそばのスーパーマーケットに行くたびに
長男は、すぐ道のとなりを通過する小田急線の電車を見ながら、5歳まで育ちました。
そして、自閉症の赤ちゃんでありながら

 

「オダキューセン、ジュンキュウデンシャ!」

 

といった具合に、漢字で書いてある文字を指差して言っていたのです。
私の夫などは、

 

「すごいぞ!漢字が読めてる!」

 

などと言って喜んでいましたが、これも自閉症の特性で、
一度聞いた漢字の読みを
「形」として、目で暗記していただけだったのです。

 

詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。→ http://hayakawa-takuma.com/

 

・・・というわけで、27歳になった長男の子供部屋は、
「大人買い」したプラレールが、床一面に足の踏み場も無いほどに
ビッシリと線路が敷き詰められているのでした。...(^^;)

 

また、毎日通所施設から帰宅後には、大好きな電車の油彩画を描いて、
「本物の画家」として育ってくれたのでした。

 

・・・というわけであなたもこのカテゴリーの記事を読んで
「自閉症が描く絵」について学んでくださいね。

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