自閉症の新薬オキシトシンとは?

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ここでは、「自閉症の新薬オキシトシン」についてお話します。

 

自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」という)は、
脳の器質的な特性よって引き起こされる先天的な障害です。
現在のところ完治させる手段はありません。

 

しかし、

 

「脳の器質的な特性によって引き起こされる」

 

ということから、いろいろな分野で研究が進んでいます。

 

「薬を飲んだり、特殊なトレーニングをすることで治ったら」

 

と自閉症の人を抱える多くの家族は思っています。

 

それだけ、他の障害に比べてかかわり方が難しく、
いろいろな支援を長期間にわたり必要とする障害なのです。

 

オキシトシンってなに?

 

「オキシトシン」はもともと人間の体内にあるホルモンの1つです。
9種類のアミノ酸がつながった構造のペプチドホルモンです。

 

「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」という異名でも知られています

 

が、恐怖からの猜疑心を促す「バソプレシン」
というホルモンとわずか2か所の違いがあるだけのアミノ酸組成をしています。

 

「オキシトシン」は脳の視床下部というところで合成され、
2つの経路で2つの働き方をするのです。

 

1つはホルモンとして働きます。
血液を通して脳以外の全身(主に平滑筋)に働きます。

 

脳の視床下部の室傍核というところで合成され、
神経線維内を移動して脳下垂体後葉にいき、
そこから血液中に分泌されるのです。

 

主な働きとしては、分娩時に子宮筋を収縮させてて分娩を促したり、
授乳時に乳管平滑筋を収縮させて乳汁分泌を促す働きなどがあります。

 

もう1つは脳内における神経伝達物質としての働きです。

 

情動などをつかさどる大脳辺縁系や、
それと密接に関連する側座核というところを中心に脳内に広く伝わります。

 

この脳への働きが近年

 

「自閉症に効くかもしれない!」

 

と注目されているのです。

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オキシトシンは自閉症の治療薬(新薬)となる?

 

「オキシトシン」の働きに注目して、
東京大学の研究チームにより「オキシトシンの点鼻薬」による臨床試験が行われ
(20名の自閉症と診断された成人男性を対象)、

 

「表情や声色を重視した他者理解の頻度の増加や
その際の内側前頭前野の脳活動改善が認められた」

 

と発表(2015年9月4日)し、2016年8月7日現在も
114名の新たな参加者で確認するために

 

東京大学、名古屋大学、金沢大学、福井大学の4大学が
連携して臨床試験を行っています。

 

今後女性や子供たちにも安全性や有効性が確認されると、
自閉症の処方薬として認可される日がくるかもしれません。

 

今の段階では専門家による治験を含む研究段階です。

 

「オキシトシン点鼻薬」

 

はネットで海外から個人購入もできるようですが、
日本の薬事法ではまだ認可されていない「薬」です。

 

安易な個人輸入、使用は危険ですからやめましょう。

 

私の体験談をお話しますと、実はこの東京大学、
名古屋大学、金沢大学、福井大学の4大学の

 

「オキシトシン点鼻薬の治験」に
長男を参加させようと応募してみました。

 

ところが・・・

 

参加資格者の項目の中に

 

「■知能検査で測定した知能指数が正常以上」

 

と書いてあったのです。

 

正常以上とはIQ:70以上なので、
「アスペルガー症候群」の方々を指します。

 

ですから長男の参加は、大学から断りのメールが来ました。

 

最後にカン違いされては困るので申し上げます。

 

オキシトシンで「自閉度」の改善は見込めますが、
「知的障害」の改善は、現段階では医師が研究中ですから、
ハッキリしたことは言えません。

 

・・・というわけであなたもこのカテゴリーの記事を読んで
「自閉症の新薬オキシトシン」について学んでくださいね。

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