オキシトシンが自閉症に認可されるのはいつなの?

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ここでは、「オキシトシンが自閉症に認可されるのはいつなのか」
についてお話します。

 

自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」という)は、
脳の器質的な特性による先天的な障害です。

 

今現在、完治させる特効薬は見つかっていません。

 

「オキシトシン」というもともと人間の体内にあるホルモンの
「神経伝達物質」としての働きに注目して
4大学が連携しての臨床試験に取り組んでいるところです。

 

薬の認可はどうやって行われるの?

 

日本では、医薬品を製造販売(市場に出荷または上市する)するためには、
品目ごとに厚生労働大臣の認可
(医薬品製造販売承認)を受ける必要があります。

 

医薬品の品目とは

 

1.同一販売名で表せるもの

 

2.有効成分とその分量が異ならないもの

 

3.著しく剤型(錠剤や液剤など)が異ならないものをいいます。

 

また、ここでいう医薬品とは、
人に投与するために製剤化されたものをいい、

 

医薬品の製造に用いられる原薬(有効成分)は
製造販売承認の対象とはなりません。

 

医薬品の承認申請に際しては、
申請する医薬品のタイプにより添付資料

 

(製造方法並びに規格及び試験方法等に関する資料、
吸収、分布、代謝、排せつに関する資料、

 

臨床試験の成績に関する資料など)
の内容が異なります。

 

 

医薬品の承認審査は、
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

 

で行われるので、
製造販売承認申請書と添付資料は
このPMDAに提出します。

 

また、審査には高額の手数料がかかります。

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新医薬品については、品質、非臨床、臨床、統計などの
領域分野別の審査チームによる詳細な審査が行われ、
このチームの審査が終了してから

 

「審査報告書」

 

が作成され、薬事・食品衛生審議会へ諮問を行い、
その中の医薬部会及び薬事分科会における審議・報告を経て、
薬事・食品衛生審議会の答申を得ます。

 

また、医薬品を製造する製造所が
基準に適合していることを確認した後、

 

新医薬品として厚生労働大臣の
製造販売承認が得られます。

 

このように、安易な薬が出回らないように
慎重に審査がされているので、
承認までには時間がかかります。

 

「オキシトシン」の認可の可能性は?

 

「オキシトシン」は自閉症の治療だけでなく、
うつ病や社会不安障害など他の精神障害に対する治療にも

 

「役立つのでは?」

 

と期待されている物質です。
しかし、治療薬として実用化するためには
明らかにしなければならない点が多くあります。

 

「オキシトシン」のホルモンとしての
作用を利用するのではなく、

 

神経伝達物質としての作用を利用したいわけですが、
経口投与では消化管から直ちに分解されてしまいます。

 

また、血液からはバリア機能(血液脳関門)
が働いて、脳へは移行しません。

 

現在4大学が連携して行っている臨床試験では
鼻から吸入させる方法を用いてますが、
結果が待たれるところです。

 

いろいろ不明な点を明らかにしていくには
相当な時間がかかるでしょう。

 

しかし、こうした「動き」は進歩につながります。

 

「オキシトシン」だけでなく、
いろいろ有効なものが
出てくることに期待しましょう。

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