自閉症はオキシトシンが原因なの?

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ここでは、「自閉症はオキシトシンが原因なのか」についてお話します。

 

自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」という)は、
脳の器質的な特性によって引き起こされる先天的な障害です。

 

現在のところ、完治させる特効薬は見つかっていません。

 

他の障害に比べて対人関係、コミュニケーションといった
社会生活を送るうえでとても重要な部分に
弱さを持つ障害であるため、本人の生き難さは相当です。

 

また、その家族にとっても、自閉症が内部障害であるため
パッと見てわかりにくく、周囲の理解を得るために
相当な労力が必要で、とてもストレスが大きいのです。

 

日々、全世界でいろいろな方面から研究がされています。

 

ホルモンってなに?

 

人間の体の内部や外部で起こった情報に対応して、
体内の特定の器官で合成され、分泌されて血液などの

 

体液を通して体内を循環して、ホルモンごとに
決まった細胞で効果を発揮する生理活性物質のことです。

 

ホルモンの作用については未解明の部分が多いですが、
生物が正常な状態にあることを支えたり、
都合のよい状態にするといった重要な役割を果たしています。

 

「オキシトシン」はもともと人間の
体内にあるホルモンの1つです。

 

オキシトシンの不足は自閉症の原因なの?

 

自閉症 新薬 オキシトシン」でお話したように、
「オキシトシン」は脳下垂体後葉から
血液に分泌されるホルモンです。

 

分娩時に子宮筋を収縮させて分娩を促したり、
授乳時に乳管平滑筋を収縮させて
乳汁分泌を促す働きなどがあります。

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そしてもう1つの働きが
脳内における神経伝達物質としての働きです。

 

血液中に分泌された「オキシトシン」が
再び脳の中に入り込むことはできません。

 

脳と血管の間には「血液脳関門」よばれるバリア機構の働きで、
必要以上の物質を脳内に送り込めないシステムになっています。

 

血液中の「オキシトシン」ではなく、「オキシトシン」を
放出するニューロン(神経系を構成する細胞)が、
脳内のあらゆる箇所に直接投射していることがわかっています。

 

特に扁桃体には「オキシトシン」受容体が豊富にあるため、
「オキシトシン」がこの扁桃体に作用すると信頼感が上昇して、
恐怖感が減少するということが起こるのです。

 

こうした

 

「対人関係や社会性」

 

に変化を与えることから、自閉症の中核症状に
有効である可能性が推測されているのです。

 

現時点では、

 

「オキシトシン不足が自閉症の原因である」

 

とは言えません。

 

「オキシトシン」による自閉症の症状改善は
2016年の夏時点では、東京大学の医学部が

 

中心となって、チームで治験者を対象に
研究がなされている真っ最中なのです。

 

将来的には「オキシトシン」と
自閉症の関係が何か分かってくるかもしれません。

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