自閉症スペクトラムの幼児への対応とは?

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ここでは、「自閉症スペクトラムの幼児への対応」についてお話します。

 

「自閉症スペクトラム」は、今まで「自閉症」「アスペルガー症候群」などと
呼ばれていた障害を、知的障害の有無や自閉症の程度などで厳密な線引きは難しく、

 

連続体としてとらえる方がより現実に合っているということから
2013年、統一された呼び方です。

 

この中には、今まであまり注目されなかった非常に軽度
(社会参加し、生活上大きな困難さを抱えていない)の人も含まれています。

 

この「非常に軽度」の人が「自閉症スペクトラム」の中では一番多数を占めます。
また、知的障害がないために周囲から気付かれることもなく、
本人の自覚もない場合が多いのです。

 

しかし、何かしらの問題は抱えているのです。

 

自閉症スペクトラムの幼児への対応は?

 

自閉症スペクトラム 特徴 幼児」で
幼児期の自閉症スペクトラムの特徴はくわしくお話しましたので、
その特徴的なことにどのように対応すればよいのかお話します。

 

幼児期は、生後1年から小学校に入学(6歳)するまでの期間の子どものことで、
一般的には、保育園や幼稚園といった幼児教育期間の子どもがほとんどです。

 

家族だけの生活から、保育園や幼稚園といった
同年代の子どもたちと過ごす時間を作って、集団に慣れていく時期です。

 

「何歳には◯◯が出来る」といった目安もありますが、
基本的に幼児期の子どもの発達は個人差が大きいので
「様子を見る」というのも大切なことです。

 

1.言葉の遅れや使い方の問題

 

言葉がなければ、何もコミュニケーション手段がないわけではありません。
自閉症スペクトラムの子どもは、視覚優位の場合が多いので
具体物、写真、絵カードなどを見せ、わかるものを取り掛かりとします。

 

言葉の音声を付けても混乱しないようであれば、
具体物や写真、絵カードとともに言葉を添えると発語を促進することもあります。

 

診断がついていれば、療育の専門家と相談しながら
進めるのが無理がなくて良いでしょう。

 

2.感覚の特異性

 

これは基本的に、トレーニングなどですぐに何とかできるものではありません。
出来るだけ本人の苦痛のないところまで配慮してあげるのが、一番の早道です。

 

3.一人遊びが多い

 

性格的に一人を好む子どももいるので、観察することが大切です。

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自閉症スペクトラムのために一人遊びが多い場合、
無理やり集団の中に入れても激しく拒否して癇癪を起こしたりするだけで、
上手く適応はできません。

 

いきなりたくさんの仲間のいる中に入れるのではなく、
一人か二人くらいの少人数から始める必要があります。

 

また、大切なことは「その集団で何をどれだけするのか、
終わったら次に何があるのか」などを具体的に知らせてあげることです。

 

「終わり」がわからないために、
「いつまでも遊んでいる」ということはよくあることです。

 

「チャイムが鳴ったら終わり」「先生が終わりといったら終わり」で
わかる子どもは自閉症スペクトラムではとても少ないです。

 

目で見て「ここまできたら終わり」を
その子その子でわかる手段を見つけることが必要です。

 

砂時計や発光ダイオードのランプ
(徐々に時間とともにランプが減っていくもの)音楽の終わりが合図など、
わかるものを探しましょう。

 

4.多動

 

定型発達の子どもも日々、外では知らない新しいことが多く、
興味を持って動き回ることもよくあります。
しかし、制止がききます。

 

自閉症スペクトラムの子どもは制止はききません。

 

日ごろから「何に興味があるのか」をよく観察しておいて、
興味の対象物がある時は手を離さないなどの注意が必要です。

 

また、基本的に「新しい場所」などで
何がどうなっているのかよくわからないときに、
あっという間にいなくなることが多いです。

 

新しい場所に行くときは、事前に写真などを見せて
少しでも不安を取り除いてあげましょう。

 

また、一人で落ち着いて過ごせるもの(ゲーム、本など)を持って行き、
それを使って過ごす間に
「買い物を済ませる」「おでかけを済ませる」というのも良い方法です。

 

5.こだわりが強い

 

不安であることが多いです。

 

そのこだわりを無理にやらせなくすると、
かえって落ち着かなくなる場合が多いので、
「次に何があるのか」を伝えて切り替えるのが有効です。

 

出来るだけ「次のスケジュール」は本人が好むものにすると早く切り替わります。

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