大人の自閉症の遺伝子治療は可能?健常者になる事が本当の幸福なのか

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ここでは、「大人の自閉症の遺伝子治療の可能性」についてお話します。

 

自閉症は、脳の器質的な特性による先天的な障害です。
その「脳の器質的な特性」は「遺伝情報伝達ミス」で起こる
ということは、「自閉症 原因 父親」の記事で詳しくお話しました。

 

自閉症は治療できるの?

 

現在の段階で「自閉症はこの治療で治ります」というものはありません。
話すこともなく、目も合わず、あちこち走り回っていた子供が、
突然目を合わせ、落ち着いて話してくれたら、
親はどんなにうれしいでしょう。

 

そんな思いから、未試験の代替療法が広がっています。
まさに「藁にもすがる思い」です。

 

治療効果の有無はもちろんですが、
そんな代替療法の中には命を落としかねない危険なものもあります。
代替療法を試みる際には、細心の注意が必要です。

 

自閉症の遺伝子治療は可能なの?

 

遺伝子やたんぱく質の構造や機能を研究する分子生物学が著しい進歩を遂げ、
遺伝子を操作することによって遺伝子の異常による病気や障害の治療が
出来るのでは、という期待が高まり、日々研究されています。

 

厚生労働省のガイドラインでは、遺伝子治療の対象とされるのは、
主に原因が単一の遺伝子の異常によることが明確な疾患とされています。
自閉症は単一の遺伝子の異常によるものではありません。
複数の遺伝子の異常による多因子遺伝病とされています。

 

しかし、単一遺伝病の中の結節性硬化症、脆弱X染色体症候群、
レット症候群なども自閉症と同様の症状をあらわすため、
これらの単一遺伝病の研究が進められています。

 

現在の時点で自閉症の発症に関係する
可能性のある遺伝子は100以上報告されています。

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こうして、日々研究が続けられています。
自閉症の発症に関わる遺伝子がすべて明らかになる日も必ずくるはずです。
しかし、遺伝子治療への発展には、まだまだ時間がかかります。

 

「自閉症を治す」という考え方から「自閉症の人と共に生きる」
という考えにシフトして、自閉症の人たちの類まれな能力や
文化を受け入れていきたいですね。

 

「自閉症が治るのか?」ということについて

 

私の体験談をしますと、ただ今、(2015年8月現在)
東京大学の医学部を中心に全国展開されている

 

「自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験の募集」

 

という、サイトを見つけました。
こちら→ http://npsy.umin.jp/oxytocin.html

 

ただし、参加基準の中に「知能指数が正常以上」とありましたので
メールで長男の様子を書いて質問してみました。
すると、10日後くらいに返信が来まして、参加出来ないと
断られてしまいました。

 

このように「知的障害を伴わない自閉症」の薬でさえ、
日本では、まだ「医薬品」として認可されていない、現状があります。

 

また、今の長男の楽しそうな毎日を見ていると、本人にとって
「自閉症が治って、健常者になる。」ということが、本当の幸福なのか?
と、想いをはせますと、決してそうだとは考えられません。

 

長男の知能指数は「小学生の低学年程度」なのですが、
その頃の毎日が、人生の中で、一番楽しかった時期、
だと思ってしまうのは、私だけでしょうか?

 

この記事を読んで下さった方に、少しでも参考になったのであれば
大変うれしく思います。それでは失礼致します。

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