いとこや親戚が自閉症だと遺伝しない理由は突然変異が原因もあるから

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ここでは、「いとこや親戚が自閉症だと遺伝するのか」についてお話します。

 

自閉症の遺伝ということで、父親、母親と見てきました。
もっと広く親戚などではどうなのでしょうか?

 

遺伝病、遺伝性疾患とはどういうもの?

 

遺伝性疾患とは、単一遺伝子疾患(メンデル遺伝病)、染色体異常、
多因子遺伝病、ミトコンドリア遺伝病、体細胞遺伝病などに分類されます。

 

染色体や遺伝子の変異を親が持っていてそれが子に伝わる場合と、
親自身には全く変異がないにもかかわらず、突然変異によって、
身体の細胞、精子、卵子の遺伝子や染色体に
変異が生じて発症する場合があります。

 

遺伝病、遺伝性疾患は決して特別な人が、かかるというものではありません。
遺伝病、遺伝性疾患と言われるものの中には、
ある程度の年齢に達してから発症するものもあるので

 

「自分自身が遺伝病、遺伝性疾患に罹患しているかも知れないし、
遺伝病、遺伝性疾患の子供が生まれるかもしれない。」
というのが正しい理解の仕方です。

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いとこや親戚に自閉症の人がいても遺伝しないの?

 

2015年の報告ですが、「自閉症170人の全ゲノム塩基配列を解読する」
という研究では、兄弟2人とその両親からなる4人組85例の
全ゲノム(1セットの染色体=遺伝情報)を解読しました。

 

そして、自閉症に関連する同じ遺伝子の変異の共有割合を調べた結果、
このような兄弟の大半(69.4%)は、自閉症に関連する、
同じ遺伝子の変異を共有していないことが報告されています。

 

自閉症に関連する同じ遺伝子の変異を共有しているのは約3割ということです。
家族内での遺伝的多様性も、かなり大きいと言える結果から、
いとこ、親戚に自閉症の人がいるからと言って「遺伝します」とは言えません。

 

上でもお話したように、遺伝子に異常を起こすのは、親からだけではなく、
突然変異(親には見られず、子供に新しく発生したDNAの変異)
によっても引き起こされます。

 

遺伝子の研究は日進月歩です。

 

研究が進むにつれて、今回のような新たな結果
(今までは、自閉症は遺伝的な要素が強いように言われていた)が
出てくるかもしれません。

 

このように現代の医学では「いとこや親戚が自閉症だと遺伝する。」
などと、決して結論づけることは、できないのです。

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