自閉症で知的障害の言葉とは?
ここでは、「自閉症で知的障害の言葉」についてお話します。
自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」という)は、
脳の器質的な特性による先天的な障害です。
はっきりとした原因は不明です。
自閉症にはいくつかの特性があり、
その特性は自閉症の人それぞれで現れ方は違っています。
また、知的障害も伴った場合と伴わない場合があります。
現在では非常に軽度の人も自閉症とするので、
自閉症全体でみると知的障害を伴う
割合(30%くらい)は少ないのです。
知的障害と言葉は関係あるの?
言葉が発達するためには
必要条件として次のことがあります。
1.3つの脳の機能
耳の聞こえの部分、
言っていることを認知し理解できる知能に関する部分、
言葉を発するための発語の部分の3つです。
2.環境
言葉が育つような養育環境で育てられているかどうかです。
まったく言葉を音声として聞くことも、
誰かが話しているのを見たり聞いたりすることもなかったら、
言葉を覚えられませんから当然、
言葉を使って話をするということもできないわけです。
知的障害を伴っていれば、言っていることを
認知して理解するといった
脳の部分に障害があるわけなので、
言葉の発達に影響してくるといえます。
自閉症の人の言葉の特徴は?
知的障害を伴っている場合は
「言葉の認識」「言葉の理解」「言葉の使い方」
など全般的に影響が出ます。
程度によって、言葉がまったく出なかったり、
少しは出るけど長い文章などの読み取りはできないなど、
症状は様々です。
知的障害を伴っていない場合でも、
「言葉を覚える→言葉を話す」
という流れは一見問題なくできるようですが、
実際には「言葉の使い方」という点で、
場面にそぐわない使い方であったり、
言ってはいけないというような暗黙の了解が
理解できなかったりととても特異的です。
また「行間を読む」といったことも
できない場合が多いのです。
文書にしてある言葉そのもの、
字面通りの理解はしても、その背景などを推し量る、
といったことは苦手なことが多いのです。
そのため、
「冗談が通じない」
ということが出てきます。
知的障害の有無に関わらず自閉症の
言葉に関しての共通の特徴は
「言葉をコミュニケーションには使わない」
ということです。
自閉症であれば、どんなに知的能力の高い人でも
「話し言葉」
でのコミュニケーションは苦手な場合が多いのです。