自閉症と知的障害の違いとは?

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ここでは、「自閉症と知的障害の違い」についてお話します。

 

 

知的障害とはどういうものか、
診断基準については

 

 

自閉症 知的障害 将来

 

で詳しくお話しました。

 

自閉症と知的障害の違いは?

 

1.先天的か後天的か

 

自閉症は先天的な障害です。

 

知的障害は先天的なもの、ダウン症候群、
代謝異常・脳の奇形など、もありますが、

 

周産期(重症の黄疸や仮死分娩)や
出産時(脳の圧迫・酸素不足)のトラブルや

 

乳幼児期の高熱などの後遺症など
後天的なものもあります。

 

2.機能障害

 

自閉症は脳の器質的な障害による先天的な障害
(機能障害を基盤とした発達のゆがみ)で、

 

知的障害は認知能力の発達が
全般的に遅れた水準にとどまっているものです。

 

つまり、知的障害は知的機能に限局したもので、
自閉症は知的機能を含んで
他の能力機能全般の発達のゆがみです。

 

そのため、知的機能の発達の遅れを伴うものと、
伴わないものがあり、症状も様々です。

 

3.障害の発現時期

 

自閉症は「ウィングの三つ組
(対人関係の特異性、コミュニケーションの質的障害、イマジネーションの質的障害)
の障害」がそろって診断されます。

 

この「ウィングの三つ組の障害」は3歳までに現れます。

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知的障害は知的機能の障害が発達期
(おおむね18歳まで)にあらわれたものをいいます。

 

4.対応方法(療育などの)

 

自閉症は通常一般的な教育方法では
効果のないことが多いです。

 

これは知的な部分の機能障害よりも
より広範囲の機能の発達に凸凹があるためです。

 

そのため、学習なら学習に集中できる
環境整備をした上で、本人の持てる得意分野を生かして
(視覚優位の場合は目で見てわかるようにするなど)

 

教材も個々の状態に合わせて手作りし
(既成の学習教材は使えないことが多い)
スモールステップで進めていくことが大切です。

 

知的障害の場合は通常一般の
教育方法は当てはまります。

 

ただし、量、速さ、定着までの
反復などは調整が必要です。

 

5.集団教育の成果

 

自閉症の場合は集団教育の成果を期待する前に、
個別の能力を上げることを重視しなければ
不登校など早期から離脱してしまいます。

 

できるだけ幼少期から個別の
支援をしていく必要があります。

 

知的障害の場合は
集団教育の成果はある程度期待できます。

 

それは、定型発達の子どもたちと基本的な
「学び方」が同じだからです。

 

しかし、定型発達の子どもの中に
入れておくだけで良いということはありません。

 

学びにくいところは別に
時間をかけて教えていく必要があります。

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