自閉症の目つきの特徴とは?

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ここでは、「自閉症の目つきの特徴」についてお話します。

 

自閉症(現在は「自閉症スペクトラム」という)は、
脳の器質的な特性による先天的な障害で、
以前言われていた育て方などの後天的な因子ではないことがわかっています。

 

自閉症の人の「目つき」の特徴とは?

 

「目ヂカラ」といわれるほど、人の表情で「目」はとても重要な役割を果たしています。
自閉症の人の目つきでよく言われるものには、次のようなものがあります。

 

1.目が合わない

 

子どもに目線を向けたとき、こちらを向いてくれない、
写真を撮ろうとしてもカメラのレンズに注目してくれないなど。

 

2.左右の焦点が合っていない

 

片方の目は何となくこちらを向いているようだが、反対の目はよそを向いているなど。

 

3.どこをみているのかわからない

 

目線が宙をさまよっているようにも見え、何を見ているのかわからないなど。

 

自閉症の人の特有の「目つき」の原因は?

 

自閉症は生まれてすぐにはわかりません。
日々の成長の中で「あれ?」と気付き始めることが多いのです。
一番身近な母親が最初に気付くのが「目つき」などの反応です。

 

一般的には赤ちゃんは、暗闇の中でも母親を一生懸命に探し見つめる性質がありますが、
自閉症の赤ちゃんにはそれがほとんどありません。
「この子、私のこと母親だってわかってるのかしら?」とさえ感じることがあるのです。

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何気ないときに目はあってもすぐにそらしたり、呼びかけても振り返らなかったり、
振り返っても「お母さんなあに?」というようにこちらを見てはくれなかったりするのです。

 

人の脳は生後2ヶ月から8ヶ月の間に「シナプス
(神経情報を出力する側と入力する側の間に発達した、情報伝達のための接触構造)」の
数が急増します。

 

しかし、その後は数を減らします。
これは、8ヶ月までに大量に増加させた神経細胞同士の結合の中で不要なものを減らして、
より能率的な結びつきになるように脳が状態を変化させていくからです。

 

自閉症の人たちは定型発達の人たちに比べて、この脳の能率化が遅れたり、
うまく進まなかったりするのです。
たくさんの情報の中から、必要な情報だけをうまく処理することが難しいのです。

 

人と対面して話すとき「目を見て話す」というのは、「相手の話を真剣に聞きますよ」
ということにもつながり、社会では大切な対人スキルの一つです。

 

しかし、自閉症の人たちは目を合わせた状態で、
話す内容によって表情が変わる相手を見ながら、さらに話す内容を理解することは

 

「雑踏の中で遠く離れた場所に居る人の話を聞くのと同じくらい大変」

 

なことなのです。

 

このような理由で無意識的に情報を遮断しているので、
目が合わなかったり、こちらに注目できなかったりするのです。
自閉症の人たちには「情報を整理して伝える」ということは、とても大切なことなのです。

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